第一四半期が終わり、ようやくホッと一息ついています。
さて、今日は石油関連企業の動向についてです。近年、石油メジャー企業によるスタートアップ投資や買収の勢いは凄まじいです。
中でも先頭を走るShellは、最近、電気自動車充電インフラ提供のGreenlotsや蓄電池システム提供のSonnenなどのスタートアップ買収を発表して話題になっています。
今回面白いと思ったのは、非営利のコミュニティ利益会社InfluenceMapが出していたレポートです。
こちらによると、スーパーメジャー5社の設備投資のうち「低炭素(Low Carbon)」に関するものはわずか3パーセントだけ、また、ロビー活動やブランディング活動の予算のうち「気候(Climate)」に関するものは25パーセントとなっています。
石油企業は二つの顔を持ち、複雑なバランスを取っているようにも見えます。ただ一つ言えることは、社内でも様々な立場の人がいる中で、新しい事業創生を担う人たちはそこに注力し、企業全体としてはその勢いを止めない。この勢いが、変化の激しい時代に於いては、必要な勢いだと思います。
【追記】この記事を書いた直後(2019年4月2日)に、Shellは米国における石油業界団体のロビー活動から脱退することを発表しました。気候変動対策方針への不一致が原因とのこと。